美住のすまい④ <住宅の断面構成>

美住 断面パース

美住のすまい、長手の断面を奥行きあるドローイングとして表現してみました。これを基に住宅のコンセプトを説明します。

2階にLDK(以下、パブリックスペース)を配置していますが、敷地が道路や隣地が近接しているため1階に大きな窓を取りにくく外部を取り込んだ設計がしにくい、また家族が集まる場所は家のなかでももっともよい環境としたいので、眺望や採光通風のよい2階をパブリックスペースとしています。

将来、歳を取ったときに階段をあがるデメリットがありますが、階段を緩い回り階段とすること、また1階の階高を下げて段数を減らすこと、そして1階の寝室と子供室を老人室に改修できるようにすることで、将来のバリアフリー生活に対応します。2階はロフトも組み込むことができるので住宅の断面構成が面白くなりますし、簡単な収納として、または子供たちの隠れ家として、とフレキシブルな余剰空間を付与できます。

勾配屋根を設けて天井に変化をつける手法もありますが、今回は南の窓から近くの公園の緑がみえるので、ロフトからの視線も考慮し思い切って天井を上げてフラットに仕上げました。この南の窓は段窓で採光と通風を兼ねたかなり大きい窓ですが、他の窓はできるだけ小さくしています。窓は光の入り方や窓から見える景色、通風を考えて配置し、メリハリをつけることでコストダウンも断熱性も得ることができます。

2階は構造的には平屋ですので壁も減らして開放的な空間とすることができており、1階は機能的な室を配置しているため壁が多く、地震に抵抗する要素が多いので理にかなっています。

この断面構成を得るために2階に高い天井高が必要で、先の記事(美住のすまい③)にて記したように細長い柱と耐力壁を念入りに構造設計することで実現しています。

CATEGORY

TAGS

ARCHIVES

↑