美住のすまい⑤ <カラースキーム①>
カラースキーム(色決め)を行いました。
「藤原の住まい」では柔らかい意匠を目指してインテリアを決めましたが、今回もその方向性でベース木目色+モノトーンで構成しています。照明や家具、家財道具でインテリアはカラフルになる傾向があるので、建築の色はそれらが映えるような背景の色として落ち着きのあるものを選ぶことが多いです(「イエガタノイエ」や「本駒込の住まい」のようにウォルナットも落ち着いた雰囲気の出る素材としてよく用います)。ちなみに、アクセントカラーを多めに入れることもありますが、全体のトーンを崩さないようにクライアントと十分に検討と相談をして決めていきます。
2階のLDKは床材に明るめのハードメープルとしました。2P(幅広のもの)で3分ツヤとして床があまり主張しすぎないようにしつつ、シナ天井(写真左上壁に並ぶ板材がシナです)と色調を合わせることにしました。幅広のフローリングは単価が少し高いですが、ざっくりした感じが出るので室内におおらかな感じを出したい場合はおススメです。
1階は水廻りがあることと玄関からの汚れが気になるのでフロアタイルとしていますが、色はグレーとしました。採光がなく照明に頼るスペースが多いので、暗くなりすぎないように明るめのグレーとしています。冒頭の写真右隅にある白と黒の色は洗面台ですが、1階は木カラーを排除してモノトーンでシックな空間としています。
2階の壁は白で統一していますが、白は白でも下の写真のようなキッチンの扉などでツヤ消しのグレーを入れて単調になりすぎないようにしています。
敷地面積が小さく隣地との離れが少ない都市部の住宅(主に軒ゼロのキュービクルな住宅)は、インテリアにおいてもその外観にふさわしくできるだけモダンでシンプル、そして飽きの来ないテイストでまとめるように心がけています。