美住のすまい⑥ <カラースキーム②>

木材一覧

前回のカラースキームの一覧では、すでに木材のカラーも決めたものを並べていましたが、この木材の色を決めるにあたり、塗料をいろいろ検討したのでそれをお見せします。

今回使う木材はタモとシナで、建築ではメジャーな材料です。安価で豊富にあるのでよく用いられるわけですが、これらの材料を使う場合に少し塗料(オイル)に工夫をすることで、室の雰囲気はガラリと変わります。

使うオイルはオスモカラーです。これのいいところは色が豊富に選べることもありますが、ツヤの有無とか木目を残したり消したりすることが自由にできることです。単価は少し高めですが、バリエーションの多さとイメージ通りのツヤ・マット感を得るためには費用対効果の高い塗料と言えると思います。

美住の家では、天井にシナを貼りますが、床がハードメープルの突板(明るめ)で、ツヤ無しの材料(フラット感を出したいから)としているので、できるだけマットで、しかもシナの黄味が少し弱まる程度の色がいいと考えていました。写真の右側上下4枚の薄い板がシナですが、フロアー材が素材の色をもっとも活かせるものとして、フロアーナチュラルの1回塗あたりがいいかなと考えています。

写真の左側上下8枚がタモで、タモは階段の床材としています。これは床にできるだけ合うようにタモがマットに白くなるといいと考えていたので、フロアーナチュラルとフロアーカラーのホワイトを2度に分けて塗ることで、理想の色を出そうとしています。

オイルはクリアにすると、素地の色がそのまま維持されるわけではなく濡れ感が出てくるので、注意が必要です(クリア=素地が活かされる、というわけでは決してないです。他のメーカーの塗料も同様です)。

ちなみに、今回とは雰囲気が異なりますが、下のイエガタノイエは壁一面の建具のラワンをチェスナット(濃い色)で塗装し、床のチークと色味を揃えて落ち着きの感じられる洒脱なインテリアに仕上げています。床の素材に合わせて染める色やツヤ感を決めると色味の整ったバランス良い空間に仕上がります。

イエガタノイエLDK

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