東京都建築士事務所協会立川支部の見学会

先日、東京都建築士事務所協会立川支部の例会にて、最先端の水処理技術と建築デザインが融合した施設、「クリタ・イノベーション・ハブ(KIH)」へ見学に行ってきました(設計は大手組織設計事務所の日建設計)。
まず到着して目を引いたのが、建物の周りを垂直に走る無数の白い配管です。栗田工業は「水」の会社なので、水をモチーフにして建物のデザインコンセプトをつくっているとのことで、外観においては、雨水管、換気ダクト、ダミー管を並べて配置することで、建物上部から流れる「滝」をイメージしたものとなっています。

続いて、エントランスホールの屋内壁です。一見シンプルな波板を貼り付けているだけと思われますが、ビスを完全に消していて一つの面として見せるデザインが徹底されています。そして上部からのライン照明の光が干渉し合うことで、穏やかな波が打ち寄せているかのような陰影が浮かび上がっていました。これも水を見立てたデザインかと思いますが、照明で表現しているのが面白いところです。

下写真の展示スペースでは、上階床面のコンクリートがむき出しになった天井で構成され、本来あるべき梁はスラブ上に配置して隠蔽、平らな盤として仕上げられています。よく出てくるエアコンの天カセや点検口、消防の設備は可能な限り消し去られ、ラインの照明による長手平面の強調とフラットな面による空間の広がりにより、主役たる展示物に集中できるようなインテリアとなっています。

「クリタ・イノベーション・ハブ」は、ただ技術を学ぶだけでなく、空間の美しさやデザインを通じて「水と人、未来の関わり方」を体感できる素晴らしい場所でした。ご案内いただいたスタッフ様もとても親切で、建築だけでなく一つ一つの設備について丁寧に説明してくれました。宇宙で水をどうやってつくるのか、とかの展示もあったりで、未来のテクノロジーと洗練された建築デザインに刺激を受けた一日となりました。