美住のすまい⑫ <DIY>
昨今は様々な原因が重なり工事費が高騰を続けています。これまでが安すぎた、と言えばそうですが、経済成長が物価高騰や人手不足に追いつかない以上、建築のクオリティを下げずにコストアップに対応していく術を身に付けなくてはいけません。
住宅においては、DIY(施主による施工)というのが一つのコストダウンの方法になります。躯体や断熱、窓、住宅設備(照明設備は自分でできるところがあります)など、住宅性能に関わるものはプロに任せるべきですが、外構や棚の造作などは自分でできる範囲のもの(お金をかけなくても時間と丁寧さがあれば十分にきれいに仕上げられるところ)がありますので、コストダウンを検討する場合は考慮に入れるとよいかと思います。
美住のすまいでは外構のフェンスの木部羽目板をDIYで施工しています(冒頭の写真が完成写真、仕様と作業風景が以下3枚)。新木場にある木材倉庫をネットで探し出して材料を購入し、表面研磨とオイル仕上を施して部材をカット、最後にビス留めしています。かなりぴしっと施工できたと思いますが、電動のサンダー、ジグソー、インパクトがあれば、割と簡単にできる内容です(あと便利なのはビスケット、トリマーで、この5つを揃えておけば大体のことができます。DIYで手間なのは「電動」が使えない塗装だったりします)。



なお、建築に限らず家具であっても、サンダーで表面を削ればきれいになります。下の写真は随分表面が汚れた無印良品のベンチのウレタンを剥がしてオイルで塗り直したものです。購入してから12年間窓際で使い続けていたので黄味がかっていましたが、念入りにサンダー掛けしてオーク本来の色味を取り戻すことができました。また、オイルで仕上げをし直すことにより、ツヤがありすぎる仕上げからしっとりとした質感にすることができるのもDIYの楽しいところです。

道具にお金がかからないのであればDIYに対する敷居も低くなると思いますが、いのはな建築事務所にはDIYの工具も一式揃っています。一緒に家づくりをさせていただける際はこれらを無償でお貸しできますし、僭越ながらDIYの指南もいたしますので、設計をご依頼の際には是非ご相談いただければと思います。