長野市を訪ねる

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先日、構造設計を担当している長野県の現場に行ってきましたが、そのついでに長野市周辺の建築を見てきましたので、ご紹介したいと思います。

まずは、善光寺近くの都市公園にある長野県立美術館と東山魁夷館です。冒頭写真は長野県立美術館を公園側から見たものですが、善行寺に隣接する城山公園の一部に建っていて公園と一体化するような建ち方をしています。建築家宮崎浩(株式会社プランツアソシエイツ)による作品で、2021年JIAの日本建築大賞を受賞。奥の道路から市民に公開された屋根のデッキを通って美術館にアプローチできるようになっていて、敷地の高低さをうまく利用した建築です。

東山魁夷展をちょうどやっていましたが、展示されていた代表作「道」は吸い込まれるような美しさのある作品で、絵の中のグリーンが印象的でした。この絵は東京都近代美術館所蔵のものですが、結果的に長野で見ることになりました。

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下の写真は県立美術館の横にある東山魁夷館で、雁行した建物のボリュームが特徴的です。公園側に水盤があってそれを眺めるようなホールがあり、シームレスなガラスによって前面の水盤、その先にある公園の緑と先にある山々をそのまま見ているような気になります(東山魁夷の風景画のような感じ、というか)。この美術館は以前豊田市を訪ねた時に見た豊田市美術館と同じ設計者(谷口建築設計事務所)の仕事ですが、その世界観がみられる建築といえるかと思います。

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続いて、一緒に今回の仕事を協働している設計事務所の方(大学の先輩)に住宅をご案内いただきました。下の写真にあるように、庭から道路側の蛇籠の植栽がナチュラルで、街並みに似つかわしい風景を作っています。

受賞歴もある住宅ですが、「木の家らしさ」を素直に表現した秀作で、屋根の勾配や軒の出し方、ダークブラウンの軒裏と外壁の白の対比もさりげなく綺麗です。「自然体であること」について、とても学ぶところのある住宅でした。

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その後、松代方面に行き、真田氏の城跡や邸宅、おやきで有名な店舗を訪ねました。松代市は真田市の居城ですが、歴史的な木造建築物が数多く残り、信州の昔の姿を感じることができます。

おやきの店舗は現代らしい木の使い方をした店舗ですが、地域の名産品の本店ということでシンボリックな形をしています。天井高の高い空間に架けられた木加工は無垢の木材を重ねて使っている構造で、設計者の材料への強いこだわりを感じるものでした。木の架構の現代的な表現については今後さらに研鑽を積むべき領域だと考えているので、これも勉強になる建築でした。

仕事で他県に行きその地の建築を見て回って学ぶというのは、設計の仕事ならではの楽しみだと思います。このような機会を与えていただき、また地元を案内していただいた設計事務所の方に、感謝です。

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